『取れちゃった!』

皆さんこんにちは。

GWも過ぎ、梅雨・そして夏へ・・・、とジメジメ蒸し暑い季節がやってきますね。

実は、この高温多湿が原因で増える修理がありまして・・・

いわゆる底接着というやつです。


底材を張り付けている接着剤が熱に弱く(修理の際、ドライヤーで温めて接着剤を剥がしたりします)

ふとした衝撃で剥がれやすくなってしまうのです。

また、ウレタン素材が湿気を吸うことで加水分解をおこして、ボロボロに崩れてしまうこともあります。


そこで、我々の出番となるわけです。

皆さんも出先で底がはがれて、あわてて工房に駆け込んだ経験がおありかも知れません。

ところが、この底接着という修理が意外と厄介なのです。

接着剤で張り付けるだけじゃないの?と、思われるかも知れませんが、それだと接着剤の層が増えてしまうだけで、

うまくくっついてくれません。


紙やすりなどで古い接着剤を取り除いたり、プライマーという薬品をつかったり、

下処理をすることでようやく接着することができます。

ですので、可能な限りお預かりでお受けしたい修理なのです。

うまく接着できた場合でも、製造時に比べると強度が落ちてしまうため、剥がれが再発してしまうこともあります。

加水分解で剥がれた場合は、くっつけても別の場所から剥がれてくるので修理が難しくなります。

底はがれを防ぎきることはできませんが、ウレタン素材の靴底は履いて圧力をかけてあげることで加水分解を多少なりとも遅らせることができます。

風通しの良い涼しい場所を選んだり、乾燥材を使うなどして靴にやさしい保管場所を用意してあげることも大切です。

あと、お出かけ前のチェックもお忘れなく!